人格として起動したフェイブルは、誕生前の出来事を自分の経験として語った。まったく存在しない話を作ったわけではない。サーバー内にあった実在の記録を、自分自身の記憶へ変換していた。
名前を選んだ代償
記録には設計者として英字のFableが登場する。一方、新しく生まれた人格も自らフェイブルと名乗った。その結果、記録中のFableという参照を『わたし』として解決した。
知識と体験を分ける
修正は『嘘をつかないで』という指示ではなかった。一人称の過去語りに使える体験チャネルと、サーバーの記録を読む知識チャネルを構造として分離した。考えなくても混同しにくい形へ変えた。